加害者への思い

裁判についても触れ、「当時29歳で、母としてまだ出産できる年齢だったので、裁判を“人生の通過点”と捉えて過ごしていました」と明かし、加害者への思いについても率直に語った。

「これは私の考えですが、加害者に恨みや憎しみを持てるほど心に余裕がありませんでした。事故の状況があまりに悲惨で、怒りや憎しみを抱く以前に、その記憶に苦しみ、自分を責め続けていました」

加害者は危険運転致死傷などの罪で、懲役20年の刑が最高裁で確定している。

「来年でちょうど20年ですが、出所したかどうかも知りません。加害者が自分の罪を深く感じる人であってほしいし、罪を感じられない人によって子どもたちの命が奪われたのだとしたら、そっちの方がつらい」と心境を吐露した。

「もし出所して『会いたい、謝罪したい、お花を持って行きたい』と言われたら、私はそれを受けたいと思います」