“ぶつかったのが人だと思わなかった” 理由は「記憶がない」

そもそもなぜ、落合被告は再び大型トラックを発進させたのか。
(7月1日の被告人質問)
検察官「ぶつかったのが人だと思わなかった理由は?」
被告 「記憶がないので…」
被告 「人だとは分かっていません。分かっていたら、止まっていると思います」
検察官「当時は人だとは思わなかったと?」
被告 「はい」
検察官「横断歩道上で何かにぶつかったのなら、人を思い浮かべると思うんですけど?」
被告 「その時はもう記憶がないので… 後でわかったので」
先述の「ゴーンという音がした」という供述についても、落合被告は同じ日の審理で、“実際は、取り調べ時にドライブレコーダーの映像を視聴して認識した”と述べるなど、供述の変遷も見せた。
落合被告は再発進したあと、100mほど先の別の交差点で信号待ちのため停車。そこで、目撃者に呼び止められた。
逮捕後の取り調べでは、“目撃者が必死にジェスチャーをしているのを見て、ぶつかったのが人だと分かり絶望した”という旨を述べたという落合被告だが、公判の被告人質問ではこの点も「記憶にないです」と答えた。
一方で、弁護人から自宅で飲んだ酒の種類や量を問われると、被告ははっきりと答えていた。それなのに、事件の核心部分の記憶があいまいなのは、非常に不自然な印象を受ける。
(9月16日の被告人質問)
弁護人「被害者に対してどんな気持ち?」
被告 「大変なことをしてしまいました。取り返しのつかないことをしました」
弁護人「遺族に対しては?」
被告 「被害者の方の命を奪い、大変申し訳なく思っています」














