被害者は再発進したトラックに轢過された…

 落合被告は、勤務先でアルコールチェックをすることなく、大型トラックに乗り込んだ。普段は横断歩道に歩行者がいないかを、窓を下げて目視で確認していたというが、事件時は怠ったという。被害男性の自転車のライトにも気がつかなかった。

(7月1日の被告人質問)
検察官「どうしてこの日は、普段の確認をしなかった?」
被告 「アルコールのこともあるので、確認不足だったと思います」
検察官「前方のどのあたりを見ていた?」
被告 「横断歩道のまだ先ですね」

 そして、自転車と衝突する。

(7月1日の被告人質問)
被告 「ゴーンという音がした。ごみでも踏んだのかと思いました」
「自分では意識はしていないが、いったん止まったと思います。いったん止まって、ゆっくり徐行していった」

 落合被告は、約20秒停止を続けたあと、再び大型トラックを発進させた。公判では、“その後の車体の揺れには気づかなかった”という旨を述べた。

 検察官の論告によれば、被害者は大型トラックにはねられたあと、トラックの車底部に入り込む形となり、抜け出すことができないまま、上半身を轢かれたという。
 
 落合被告がトラックを止めたままでいれば… 被害者は一命をとりとめていた。