「被告は態度で私たち家族を何度も裏切り、深い傷を負わせている」
亡くなった男性(当時24)は病気を乗り越えて大学を卒業し、去年4月に就職したばかりだった。事件がなければ、翌日から年末年始の休暇を家族で過ごす予定だった。
10月14日の公判では、男性の父親が意見陳述を行った。
「息子はスポーツマンシップを地で行くような、本当に誠実で優しい息子でした」
「妻には事件の詳細を伝えていません。息子の死を受け入れるだけで精一杯だからです。被告の姿を見たら、気が狂ってしまうでしょう」
「私は、落合を絶対に許しません。お前は反省しなくても、刑期を終えれば生きて出てくるが、息子はもう二度と生きて帰ってこない」
「被告は一生反省しないでしょう。裁判が終われば、息子のことも私たちのことも忘れ、ただ何年刑務所に入るかしか興味はないでしょう。逆に私は、息子を殺された悲しみと怨念の深い闇の中で、一生生きていくことでしょう」
「今回の事件、私は殺人だと思っています。被告は息子を殺したあとも、態度で私たち家族を何度も裏切り、深い傷を負わせています。どうか、被害者を救ってください」
強い怒りがにじんだ父親の言葉を、落合被告は伏し目がちに聴いていた。
被告の最終陳述は、至って淡白だった。
(10月14日の最終陳述)
裁判官「最後に述べたいことはありますか?」
被告 「いえ、ありません」














