うなぎ養殖が“地域の産業”になれば「三方よし」に…
もともとスーパーを経営し、水産関係にも詳しかった伊藤社長。当時から大切にしていた経営理念が、近江商人の「売り手よし、買い手よし、世間よしの“三方よし”」。社名の「Tri-win」には「“三方よし”のビジネスモデルを作る…」との思いが込められています。
では、下呂の温泉水を使ったうなぎの養殖で『世間よし』とは何を意味するのかか?

(伊藤社長)
「下呂市が市町村合併以降、過疎化しているエリアで、閉業する温浴施設が増えていると聞き、その施設で元々働いていて、仕事が無くなってしまった人がいる」
下呂市の人口は1965年のピークから減少が続き、ことしは約2万8000人に。下呂温泉の旅館・ホテルの数もピークの半分以下の45軒と、地元で働く場の創出や、地域活性化は喫緊の課題。伊藤社長はその解決策として、うなぎの養殖事業が役立つと考えているのです。

(伊藤社長)
「閉鎖した施設を利用して、養殖施設や加工場、レストランができるかもしれないとなると、新たな雇用が生まれるんじゃないかなって思ったんです。温泉を使った養殖事業と遊休施設を使って行政とか過疎地を助けることができるのではないか」
現在、「Tri-win」がうなぎ養殖の実験を行っている場所も、以前は観光施設の駐車場でした。伊藤社長はこうした地域の遊休施設を活用しつつ、将来はうなぎの加工場や、レストランを建設し、雇用を拡大したいと考えています。
温泉水を使って育つうなぎは、養殖業者、消費者、そして下呂に住む人たちの“三方よし”を実現できるか…。伊藤社長の挑戦は続きます。














