誹謗中傷を後悔、謝罪の手紙「穏便に対応を」

誹謗中傷と闘い続けてきたのは、竹内元県議だけではない。百条委員会の元委員、丸尾牧県議。

兵庫県 丸尾牧 県議
「人生の中で一番辛かった1年。非常にしんどいことたくさんありました」

立花孝志容疑者(2024年11月)
「丸尾の事務所も行くし、竹内、丸尾、奥谷見つけたら皆さん教えてください。すぐ行きますから」
「あの告発文書を書いたのは竹内だけじゃなく、丸尾牧も書いとるんです。丸尾いつでもかかってこいよ」

この虚偽の発言で名誉を傷つけられたとして、丸尾県議は立花容疑者に損害賠償を求め、裁判を起こしている。

SNSでこんな誹謗中傷も受けた。

誹謗中傷の投稿(2024年12月投稿※現在は削除)
「大ボラ吹き」
「斎藤おろしの黒幕の一人」

丸尾県議は誹謗中傷に対し、発信者情報の開示請求や削除を求める裁判を、XやYouTubeを運営するGoogleなどのプラットフォーム事業者らに対して、何度も起こしてきた。

対象となった投稿の数はのべ100件以上。

丸尾牧 県議
「僕だけじゃなくて、たくさん苦しんでる人がいると思う。そういう人たちを、これ以上苦しめないためにも、やはり間違いがあったらすぐに改める、謝罪をする」

だが、その道のりは険しかった。最初に行った発信者情報の開示請求は、裁判所が開示決定をだすまでに7か月かかった。さらに、開示決定が出ても…

丸尾牧 県議
「もう11月になるけど、その対応もひどいなと思う」

決定から4か月がたったいまも、プラットフォーム側から投稿者の電話番号やメールアドレスなどが開示されていないのだ。

丸尾牧 県議
「被害者の立場でいうと、ずっと心理的な負担が続いている状況。民事(損害賠償請求)含めて検討はしたいけど、前へ進めない状況」

――プラットフォーム側はなぜ開示が遅れていると説明しているのか?

丸尾県議の代理人 笠原一浩 弁護士

「対応に時間がかかっているという説明にとどまっている」

このため丸尾県議は、プラットフォーム側に裁判所の決定に従うよう求める「間接強制」といわれる手続きを申し立てた。プラットフォーム側が従わなければ、制裁金が課されることになる。

丸尾牧 県議
「場合によっては制裁(=制裁金)を加えてもらって、連絡先を開示するということを速やかに行ってほしい」

藤代教授は、プラットフォーム側の責任について…

法政大学 藤代裕之 教授
「簡単に拡散できる仕組みを、プラットフォームが作っている。ボタンひとつですぐに拡散できる。そして拡散した方がさらに自分のところにいいねがついたり、評価されたりという仕組みがある。拡散しやすい仕組みを作っているプラットフォームの責任を問う必要がある。

今回、立花容疑者が逮捕された。でも、仕組みが変わらなければ、ずっと逮捕し続けなければいけない。根底の問題は直らない」

デマや誹謗中傷を後悔する人も出始めている。

竹内元県議を「斎藤知事を貶めた主犯格」と決めつけ、拡散された動画。立花容疑者のXにも引用され、249万回閲覧された。

この人物は同じ動画の中で、丸尾県議についても「知事の疑惑のネタをでっちあげた」と伝えていた。だが、丸尾県議から開示請求をうけたと知り、謝罪の手紙を送ってきた。

送られてきた謝罪の手紙
「YouTubeの収入で家族を支えてきましたが、現在は生活面でも困難が続いており、別の収入手段を模索しております。誤った情報や表現によりご迷惑をおかけしたことを真摯に反省しており、穏便にご対応いただきますよう心よりお願い申し上げます」

丸尾牧 県議
「率直に謝罪をしていただいたことは、ホッとする半面、素直に100%『はい、もうこれでいいです』『終わります』ということにはならない」