仰向けに寝た状態から起き上がる様子を横からとらえたMRI映像で比較してみると・・・

頸長筋を使えている➡顎をひいて頭を丸めながら起き上がっているので、首の骨がしなやかに動くのが分かる
頸長筋を使えていない➡顎から上がっているので、頸椎がうまく曲がらず下の方で折れ曲がってしまう

金岡恒治教授:
頸長筋が働くことで7つある首の骨がしなやかに動かせるようになるんです。使えていないと棒を折り曲げるような動きになって、折り曲げるところに負担がかかって軟骨が減ったり関節が引っかかったり痛みが出たりします。

首を動かすときに、前側にある頸長筋がサボってしまうことで、背中側にある筋肉や関節に負担がかかり肩こりが生じてしまうのです。

頸長筋はなぜサボる?

現代人が頸長筋をうまく使えない原因として、「亀首(かめくび)」があります。
首と頭が前に突き出し背中が丸まった姿勢で、「猫背」に「首の前傾」がプラスされた状態を指します。

精神的ストレスやデスクワーク、スマホに触る時間が長いなどでなることが多く、この姿勢では頸長筋が固まり働かずにサボってしまいます。
成人の頭の重さは体重の約10%といわれており、体重50kgの場合は約5kgです。
首の上にまっすぐ乗っていれば5kgのままですが、亀首で首を前に30度倒すと首への負担は約15kgに増加。60度では約25kgの負担がかかってしまうのです。