今年行われた7つの市長選挙にすべて勝利した自民党。しかし天王山ともいえる県知事選挙には敗れてしまいました。


自民党県連 中川京貴(なかがわ きょうき)会長
「玉城知事が勝ったという表現の方がいいのかなと思ってます。もしオール沖縄(の勝利)なのであれば、各市町村もオール沖縄の皆さんが応援した市長が誕生したはずでありますから」

「オール沖縄」に敗れたのではなく、玉城知事個人の人気・知名度に敗れたと話す、自民党県連の中川京貴会長。最も重視してきた参院選・県知事選での敗戦の責任を取り、今月で会長職を退きます。

ただ、7つの市長選では全勝しています。その背景には、政府与党の後押しがあったと振り返ります。


自民党県連 中川京貴会長
「各市町村との約束した政策、それが実現したことではないかなと。名護市においては、(子ども)医療費の無料化。また沖縄市においては、アリーナ1万人アリーナの建設とかですね。市民との約束が実現したということ」

基地問題での対立を尻目に「一括交付金」など国から県への予算配分が減り続けるなか、保守系市長が当選した市に対する基地関連の交付金など、国からの直接支援は、政策の実現を担保してきました。

沖縄市に建設された「沖縄アリーナ」

市長選7連勝は、そうして実現した市長の実績が選挙戦の推進力になった成果とも言えます。

自民党県連 中川京貴会長
「どんなに素晴らしい絵を書いても現実にならないそのためにやっぱり国直轄型の特別推進交付金を活用したり、自民党だからできる政策実現ということでしっかり応援していきたい」

また今年自民党県連は、新たな選挙戦術にも踏み出しました。
10月、オール沖縄勢力が支えた城間市政の副市長、知念覚(ちねん さとる)さんが、自公の推薦を得て立候補した那覇市長選挙。城間市長もオール沖縄勢力との決別を宣言して知念さんを支持しました。

Q.オール沖縄は左に寄りすぎてるから仕切り直しが必要だと?
城間 前那覇市長「その通り!」

それまでオール沖縄勢力に支えられてきた城間市長がこの行動に至った背景には、受け皿をつくった、経済界の動きがありました。

経済界を中心としたグループは、自民党の事務所とは別動する大規模な後援会事務所を設置。城間市長の後援会事務所訪問は、この作戦の成功を象徴していまた。
城間市長はその後も自民党の選挙運動とは交わらず、知念さんとのペアでの街宣などに力を入れ、無党派層の取り込みに役割を果たしました。

自民党県連 中川京貴会長
「勝つための戦略だったと思っております。ただその戦略は我々県連が作ったものではなく、(経済界が)「自民党とよろしくない方々もいらっしゃる」と。「そういった方々の事務所も作った方がいい」とか、その戦術に則って戦った結果が知念市長の誕生だったと思っていますし、そういうあり方は今後あるのかと言ったら、あると思ってます」

長年続いてきた「自公対オール沖縄」の構図が大きな転換点を迎えた1年となりました。