二酸化炭素を減らすための新たな取り組み

 環境省では新たな地球温暖化対策として「ブルーカーボン」という取り組みをしています。カーボンは炭素という意味です。森林などの植物が吸収する二酸化炭素が「グリーンカーボン」です。それに対して海の植物が吸収する二酸化炭素が「ブルーカーボン」です。

 二酸化炭素は水に溶けるので海水の中の二酸化炭素をワカメやコンブなどの海藻が吸収することにより、海底や深海などに長期間貯留されて、地球温暖化対策に貢献できると考えられています。

 海草や海藻が生える藻場(もば)は海水温の上昇などで減少してきましたが、市民が参加しての藻場の清掃活動や新たな藻場を生む母藻の移植など全国各地で政府や企業、市民団体の取り組みが進んでいます。

 また、大阪・関西万博でベンチなどに利用された固まる時に二酸化炭素を吸収するコンクリートや、二酸化炭素吸収材を搭載し、それを利用して商品を冷やしたり温めたりする自販機など日本国内で新たな開発が進んでいます。

 遠く離れた北極の地の海氷面積が最も小さくなったというニュースは、日本に住む私達には関係ない出来事に思えるかもしれませんが、日本の異常気象の原因にもなっています。

 地球温暖化対策というと何だか難しいことのように感じますが、節電など私達でも貢献することができます。そして常に関心を持ち続けることが大切です。

文 松田貢児
毎日放送 気象予報士(南気象予報士事務所所属)
MBSラジオ「メッセンジャーあいはらのYouはこれから!Everyday」「松井愛のすこ~し愛して♡MORE」に出演中。
防災士・気象防災アドバイザー有資格