確立を目指し研究 児玉医師らの「ビタミンD補充療法」

 この「ビタミンD補充療法」は既存の治療法ではなく、児玉医師らが確立を目指して研究中の手法です。

 児玉医師らが去年発表した論文によると…
 ・80人がコロナワクチン後遺症をうったえて児玉医師のクリニックを受診
 ・そのうち28人は体の痛みや病的な倦怠感など「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)」と診断
 ・さらにその中の27人はビタミンDの血中濃度が不足
 ・27人にサプリメントなどでビタミンDを補充したところ、22人がME/CFSの診断基準から脱するほど回復

 児玉医師らはさらに複数の医療機関でこの治療法の「ランダム化比較試験」を行い、ビタミンD補充の有効性の裏付けを進めています。また、コロナ感染後の症状が長引いている患者の治療にも効果が期待されるということです。

「因果関係不明」「治療法無し」などとされてきた患者らの苦難 治療法確立で変えられるか

 もともと、「ビタミンD」と「倉田さんのような患者の病態」の関係は、海外の論文などでも指摘されていました。
 
 一方、「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群」は、以前から明確な診断基準があるものの、治療法が確立されていない病気です。

 こうした中で、従来は「原因がわからない蒙昧としたもの」として扱われがちな病態だった“コロナワクチン後遺症”ですが

(1)「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群」と診断名をつけること
(2)「ビタミンD」を補充すること
 の2つを掛け合わせることで、患者によっては対処療法ではなく根本治療の突破口がひらかれたといいます。


※ビタミンD=不足すると筋力の低下や免疫機能の不具合につながるとされている
※筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群=コロナ感染やワクチン接種の"後遺症”を訴える患者の病態との共通点がある

コロナワクチン後遺症 Vとスタジオ エンド有-000455334.jpg
 (児玉慎一郎医師)「病気に対して、治療法があれば患者さんを受け入れやすくなる。まずは向き合うことから。そこを有耶無耶にしたり、避けたりすると何の前進も進歩もなく、いまの困っているリアルタイムで毎日泣いている人を置き去りにしますよ」