京都市で深刻な「観光公害」。外国人観光客の増加で潤う一方、逆に売り上げが減っている店もあるようです。
また嵐山の美術館では、“混んでいる”というイメージを持たれているためか、「インバウンドも多いので、もう来るのやめようか」と来館を控える客も。
市は混雑緩和のため「分散観光」などを進めていますが、3連休中、京都駅前のバスターミナルには相変わらず長蛇の列が…
人気観光地・京都が抱える課題、そして、対策について取材しました。
“分散観光”の効果!?観光客が3年で1.4倍に

京都市中心部から車で約1時間20分。かやぶき屋根が建ち並ぶ「美山かやぶきの里」。日本の原風景がみられる場所として、人気が高まっています。
(観光客)
「めちゃくちゃきれいですね。古い建物とか見る機会あんまりない」
「インスタとかSNSで見つけました。仕事とは関係ない自然な場所で楽しみたいと思って」
昨年度、ここを訪れた観光客は約23万人。3年で1.4倍に増えました。
近くの道の駅でも、特産の米や野菜などを買い求める客が増加。週末は駐車場がいっぱいになるようになったといいます。
観光客が増えた理由のひとつが、京都市が推進する「分散観光」です。市内中心部は、観光客の急増でマナー違反や交通の混雑など市民生活への影響が深刻です。
そこで、郊外の「穴場スポット」の情報を積極的に発信することで、観光客を“分散”させようという取り組みです。
京都市が発表したデータでは、去年の秋に中心部の主要な観光地を訪れた外国人は、前の年の同じ時期と比べて約30%増加しましたが、日本人は約15%減少。
一方で、京北・美山や山科など郊外では、日本人が平均20%増加しました。中心部の混雑を避け郊外に流れているとみられ、市は「分散観光」の効果が出ているとしています。














