今年4月に滋賀県長浜市の住宅で、冷凍庫から女性の遺体が見つかった事件。遺体は4年半あまりも、冷凍庫の中に遺棄されていた。

 この事件で逮捕・起訴されたのは女性の夫ら男3人。異様な親族関係などが明らかになった裁判を詳報する。


すぐには司法解剖できないほど凍った遺体

遺体が見つかった岩瀬浩一郎・龍彦被告宅(滋賀・長浜市)

 今年4月、大阪府堺市の住宅で当時71歳のAさんと、その夫が死亡した。自殺とみられている。

 そこには遺書があり、“滋賀県長浜市の岩瀬浩一郎の家に遺体がある”という内容が記されていた。

 記載にしたがって、警察が長浜市の住宅を訪ねると、冷凍庫の中から、衣服を身につけた成人女性の遺体が見つかった。

 この死体遺棄に関与したとして、住人の岩瀬浩一郎被告(73)と息子の龍彦被告(49)、そしてAさんの実弟・野中秀紀被告(63)が逮捕された。

 岩瀬浩一郎被告は、Aさんの姉の元夫だった。

 遺体はすぐに司法解剖ができないほど凍っていたが、1週間後に身元が判明。野中被告の妻・まりこさん(死亡時53)だった。

 その後、大津地検が死体遺棄の罪で野中秀紀被告を起訴。また、死体遺棄ほう助の罪で、岩瀬浩一郎被告と龍彦被告を起訴した。

 まりこさんはなぜ、冷蔵庫に遺棄されるに至ったのか。