低金利⇒円安で「ガソリン高騰は日本だけ」

ベッセント氏の発言を“異例のけん制”とする一方で、“ある意味正論”でもあると加藤さんは指摘する。

『東短リサーチ』社長 加藤 出さん:
「もちろん急に金利を上げてはいけないが、ただ今のインフレとのバランスで言うと日本はあまりに低すぎる。このような状況では、お金が外に流れやすいのでやはり円安が止まらない」

複数の国の通貨に対する自国通貨の総合的な価値を示す【名目実効為替レート】を見ると、主要通貨の中で円だけが突出して弱い。

10月下旬時点(※2020年の年初=100)
▼ユーロ圏:114.3
▼中国:108.4
▼アメリカ:106.8
▼イギリス:105.6
▼日本:74.4

加藤さん:
「それゆえ原油価格も、2020年初から最近までの原油価格の変化を見ると、円建てで計算すると日本だけが上がって見える。実は、“他の国はこの間原油価格は上がっていなくて、むしろ下がっている”。ガソリン価格が高いと国民が悲鳴を上げていて政府が対処せねばと騒いでいるのは日本だけで、円安をなんとかしないとガソリンの暫定税率を下げてもまたじわじわと上がり始める」

【2020年初からの原油価格の変化】
※ドル建て・10月27日時点
▼日本円:+37%
▼米ドル:0%
▼中国人民元:-1%
▼英ポンド:-1%
▼ユーロ:-4%
▼スイスフラン:-21%
(東短リサーチ分析より)