アドベンチャーワールドのパンダたちが中国に返還されて4か月。パンダなき和歌山・白浜町では、今年7月の宿泊者数が去年の同じ月と比べて1万人以上減少するなど、観光に大きな影響が出ています。そんな白浜町が10月30日、観光振興を目的とする「宿泊税」の導入に向け動き出しました。一方で地元の宿泊業者からは懸念の声も。
 宿泊税導入で何が変わるのか?白浜が目指す未来は?JTB総合研究所・山下真輝フェローと大阪観光大学・細川比呂志教授への取材を交えてまとめました。
観光客は1年で1万人減少…白浜町のいま

和歌山・アドベンチャーワールドのパンダが中国に返還されてから4か月がたった白浜町は、観光面での転換期にきているといえます。
まず、白浜町の観光の現状について見ていきます。2023年のデータによると、人口1万9000人に対して、年間の観光客は295万人。そして、1人あたり2万5482円を使う(南紀白浜観光協会・2022年)ということで、単純計算で年間751億円のお金が白浜町で使われています。
白浜町を訪れる目的をランキングで見てみると、「パンダ」が20.1%で第2位。ただ、それを上回っているのが、「温泉」で31%となっています。白浜町では南紀白浜温泉という歴史のある温泉があり、パンダを抑え観光目的地のトップとなっています。
和歌山県白浜温泉旅館協同組合(21施設が加盟)によると、去年7月には9万8566人だった宿泊者数が、パンダ返還後の今年7月は8万8524人と約1万人減っています。ただ、パンダ返還だけではなく、大阪・関西万博の影響もあるようです。
その一方で、インバウンド客は減っていないということです。
 
   
  













