「いつかありし日の首里城と同じ色を」。積み残した宿題を託されたのが若き研究者、幸喜淳さんでした。

●沖縄美ら島財団 琉球文化財研究室・幸喜淳さん
「天然の弁柄なるものが、そもそもどういうものなのか。最初のころは結構、雲を掴むような話だぞ、というところでスタートした」
古文書にある久志間切は現在の名護市東海岸周辺の地域。そこにある顔料「弁柄」とは何か?
弁柄は酸化鉄を主成分とする顔料で、かつて岡山などでは土や鉱物を焼くことで作られてきた経緯があることから、古文書にある弁柄も、土や鉱物を熱したモノだと仮説を立てます。

調査エリアは、北部一帯にまで拡大し、地質学者などに同行してもらい、焼けば赤くなりそうな鉱物や土を探して回ったといいます。
●幸喜淳さん
「地質を見てもらいながら、赤くなりそうな石や土をどんどん採ってきたりとか。岩肌が切り出されている所があればみんなで車で止まり。地層が見える場所は片っ端から歩いて行って」

こうして採取した天然顔料は、熱を加えた上で漆職人の諸見さんの工房へ。外壁に塗れるよう、桐油と混ぜ、塗料化を試みます。しかし…
 
   
  













