「今のような環境ならば、あの事件は起こさなかった」

裁判に足を運んだ兄の勇さんは、加害者・青葉真司被告の言葉に強い苦しみを覚えた。

渡辺勇さん
「彼が言った言葉がちょっときつかったんですね。(中略)『まあ数人は亡くなると思ってたけれども、上の階とかにいた人たちは運がなかった』みたいな話をしたりであるとか。(中略)今、体が動かしにくい状態で、(中略)いろんな人たちにヘルプをもらって過ごしていることを彼は感謝していると。『今のような環境ならば、あの事件は起こさなかった』って言っておられました」

拘置所での今の生活を「幸せだ」と言う加害者。

渡辺勇さん
「なんかすごく苦しくて、僕らが普段生きている世界と、彼は罰というか、拘置所にいて、そっちの方が幸せだって言ってること自体に、どうしたらいいんやっていう心に正直なりました」

渡辺勇さん
「今回のことを、彼のことを、許すとかはちょっと難しいんですけれども、僕にとってはこういうことが起こってしまうような環境や人間性というか、何て言ったらいいんですかね。そういうのが少しでも減る可能性があるのならば、この講演も含めて、やっていけたらなというふうに思っております」