それは、月曜日の朝のこと。いつもの出勤ルートを歩いていたら、思わぬ光景が目に飛び込んできた。

「えっ・・・」

心臓が跳ね上がった。住宅街の路上に、人がうつぶせの状態で倒れていたのだ。

熊本市東区の現場付近

男性は高齢で、動かず、反応もない。助けを求めようと周囲を見渡しても、他に通行人もいない・・・。

「とにかく救急車を呼ばなくちゃ」

熊本市のパート従業員・村井厚子さんは、とっさに119番通報をした。

その様子を一人の運転手が車窓から目撃していた。それが、男性の命を救った「リレー」の始まりだった。