同僚に「とりあえず来い!」

9月8日午前8時45分ごろ。勤務先の医療機器メーカーに車を停めた大山泰広さんは、出社早々、同僚2人に声をかけた。

「とりあえず来い!」

直前に、車から見かけた光景。倒れた男性の近くで通話する女性の姿に「ただ事ではない」「とにかく人手が必要」だと直感した。

3人で約200m離れた現場まで戻り、そこから村井さんとの連携が始まった。

熊本市東区の現場付近

村井さんは通話をスピーカーに変えて、消防指令員の指示を伝えた。

3人は「男性を仰向けにして欲しい」という指令員の指示を受けて体勢を変え、1人はAEDを取りに会社へ走り、1人は交通整理、もう1人は心臓マッサージにあたった。

そうして救急隊の到着を待つ間、もう一台の車が現場を通りかかった。

3人の同僚で、救急外来での勤務経験がある髙見昇吾さんだった。