1か月半ぶり、笑顔の再会

10月28日の表彰で、村井さんは「男性たちが駆け付けてくれて助かった、私は電話をしただけ」と照れくさそうに笑った。

一方、大山さんたちはこう振り返った。

「村井さんがいたから『何かが起きている』と気づけました」

表彰を受けた村井厚子さん

5人のように救急現場に居合わせた人のことを「バイスタンダー(bystander)」と呼び、現場ではバイスタンダーの通報や救急隊到着までの行動が重要となる。

それは傷病者の家族かもしれないし、同僚かもしれない。そして、偶然居合わせた赤の他人かもしれない。

熊本市東消防署の担当者は「村井さんが、命のリレーの第一走者になってくれた」と振り返る。

「一刻も速い119番通報が大切です。救命講習を受けていない方でも、こちらから通話で心臓マッサージなどの指示を出せます」

「今回の人命救助は、村井さんの行動から4人の会社員、救急隊まで、リレーが上手くつながった結果だと思います」

表彰を受けた「富士フイルムメディカル 熊本営業所」の5人