「コロナ×こどもアンケート」第2回調査報告書 教育機関向け資料より


「最近集中できない」「すぐイライラする」と答えた子どもは全体では3割近くに上った。「自分のからだを傷つけたり、家族やペットに暴力をふるうことがある」という自傷や他害の行動は9.0%。特に高校生のストレスが高く、例えば「最近集中できない」高校生は58%で、30%前後の小中学生を大きく上回った。

そして子どもの22%が「コロナになった人とは、コロナが治ってもつきあうのをためらう(あまり一緒には遊びたくない)」と考えていて、こちらは年代別では小学校の低学年が32%で最も多かった。また40%の子どもは「コロナになった人とは、コロナが治っても、あまり一緒には遊びたくない人が多いだろう(付き合うのをためらう人が多いだろう)」とも答えている。

「コロナ×こどもアンケート」第2回調査報告書 教育機関向け資料より


■コロナでいじめ発生


報告書では「コロナに関連した差別や偏見(スティグマ)が、こどもたちの周りにも少なからず押し寄せている」と指摘している。このような差別や偏見は、いじめの温床にもなる。
この調査では、コロナに関連して「自分がいじめられている」という子どもは1%、「いじめではないが、友だちとの関係に悩んでいる」という子どもも8%いた。

既に新潟県では「コロナいじめ」が発生したことが確認されている。今月3日、新潟県教育委員会は、新潟市を除く県内の公立学校で3月~8月に少なくとも8件の「コロナいじめ」があったと公表した。感染拡大のあったエリアを訪れた児童や生徒が「コロナ」や「コロナウイルス」と呼ばれた。コロナと関係ないのに数日間休んだだけで、または咳をしただけで「コロナだ!」と言われた。医療従事者の子どもが差別的な言葉を浴びせられた。このようなコロナに関連した様々な事例が報告されているという。「加害者は、かなり敏感になって反応したのかもしれないが、からかいでは済まされない」と県の担当者は言う。

「新潟県いじめ対策ポータル」より


文部科学省も夏休みが明けるのを前に(8月25日)、大臣メッセージとして「すでに感染した人達が心ない言葉をかけられたり、扱いをされたりしているという事例が起きています」と注意を促し、正しい科学的知識をもとに差別や偏見を防ぐよう求めている。