普及の鍵は「圧倒的な便利さ」のアピール
野村:少し目線を変えますが、「耳でインプットする」ことの圧倒的な便利さについて、もっと啓発しなければいけないと考えています。
設楽:ものすごく便利です。私の一番のインプット手段は今、耳です。
野村:ですよね。私もそうです。テキストでさえAIの読み上げで聞いているくらいです。通勤や移動、運動といった両手が塞がっている時間をインプットに使える。現代人は忙しく、そのような隙間時間はあまり残されていませんが、耳でのインプットなら、24時間の中でまとまった時間が見つかります。
Podcastの文脈では「心が伝わる」「本音が分かる」といった、少しふわっとした話がされがちです。それよりも圧倒的にアピールすべきなのは「Podcastはそもそも利便性が高いものである」ということです。
設楽:「便利だ」と。
野村:そう、「便利だ」ということをアピールすべきです。人間はインセンティブの生き物ですから。誰もが忙しく、コンテンツが爆発しているこの現代において、Podcastは非常に便利なものなのだと伝えていかなければならないと考えています。
設楽:私自身、ある時期からあらゆるものを耳でインプットすることを主軸にした結果、テキストの記事を読むのが億劫になった経験があります。「音がないのか」と思ってしまった。これはもう後戻りできないなと。この利便性が理解されれば、一気に広がっていくのではないでしょうか。
野村:人間はスマートフォンがなかった世界に戻れないのと同じで、一度便利なものを味わうと、不便な世界には戻れませんからね。














