「恒星間天体」が初めて発見されたのは2017年

ーこれまでに発見された「恒星間天体」は?

米田瑞生さん

「2000年以降は、プロの天文学者が、大型の望遠鏡やデジタルの力を駆使して、さらに多くの彗星を発見するようになります。そして2017年、驚くべき発見がなされました。

オウムアムアと呼ばれるその天体は、太陽系外からやってきたことが初めて確認された天体、つまり人類が初めて目撃した恒星間天体です。

彗星のようにガスやダストを放出している様子がなく、小惑星のような天体だろうとされています」

ー3I/ATLASの特徴は?

米田瑞生さん

「今回見つかった3I/ATLASは、恒星間天体としては3例目です。太陽からまだまだ遠い段階で秒速60kmを超える猛スピードで、太陽に近づいていました。

そして、この3I/ATLASには、彗星のように、尾があります。太陽系外の恒星(太陽のように、自ら核融合によりエネルギーを生成し、輝く天体)の周りにも惑星があることは、30年前から知られていますが、彗星や小惑星に相当する小天体も存在していることを、強く示唆しています。

それらが、もともといた恒星系のオールトの雲や、エッジワースカイパーベルト領域から、何らかの原因で弾き出されて、太陽系にやってきたのではないでしょうか。

暗黒の空間を、何十万年かそれ以上の時間をかけて太陽系にたまたまやってきたと思うと、ロマン溢れる瞬間を我々は目撃しているようです」