日本人アマチュア天文家の活躍

ー彗星を発見したのはどんな人たちですか?

米田瑞生さん
「昭和の中期は、1940年代から日本人のアマチュア天文家たちが非常に多くの彗星を発見していた『日本アマチュアの彗星の王国時代』ということができます。

アマチュア天文家の功績により、太陽系の構造についての理解が進んだのです。太陽系の外縁がどうなっているのか、だんだん分かってきたんです」

彗星から見えてきた太陽系の外縁部

ー彗星の観測でどんなことが分かるのでしょうか?

米田瑞生さん
「彗星の観測を通して、太陽系の外縁部には二つの主要な領域があることが判明しました。

まず『エッジワース・カイパーベルト(EKB)』と呼ばれる領域があり、ここは『短周期彗星』(周期が200年以内の彗星)の故郷です。

そして、さらに遠方には『オールトの雲』【画像⑧】があり、こちらは『長周期彗星』(周期が200年以上の彗星)の発生源となっています」

「近年では、太陽系外から飛来し、また太陽系を去っていく『恒星間天体』の存在も確認されるようになりました。

3I/ATLASもその一つです」