成長の背景には大学時代に出会った投手コーチと師匠の存在

渡邉選手

仙台大では仙台六大学リーグで1年春から登板。3年時には侍ジャパン大学日本代表に選出され、この4年間で最速は148㎞から153㎞に。「150㎞を投げる変化球ピッチャーっていうのをテーマにしてやっているので、そこが自分のアピールポイントですかね」。渡邉は一番自信のある球種にチェンジアップを挙げるほど変化球にも力を入れている。転機となったのは大学2年の春、元ロッテの坪井俊樹投手コーチに言われた言葉だった。「変化球を主体とするようなピッチャーになって、力感のない球を投げるのが一番いいんじゃないかという話を受けた。自分で何か変えないとプロに行けないと思っていたので」。その言葉が渡邉の今のスタイルの原点となった。

さらに、成長の裏には渡邉が“師匠”と慕う川和田悠太(24、三菱重工East)の存在があった。仙台大では2学年上にあたる川和田と1年間ほど野球ノートを通じて意見交換をしていたという。「本当に向き合ってくれる先輩は初めてだったので、野球人生で一番自分を大きく変えてくれた人」と渡邉は感謝を口にした。「野球だけじゃなくて人間性は全く叶わないようなすごい人。そういう人がいて、ベクトルが自分に向くようになってきて少しずつ変われて。自分のためにじゃなくてチームのためにってベクトルが変わった時に勝ちがついてきて、気づいたら結果が出ていた」。