任期満了に伴う、奄美大島・龍郷町の町長選挙が21日に告示されました。現職と新人のあわせて2人が立候補し、8年ぶりとなる選挙。中学校の統合や交流センターの整備などを巡る、2人の訴えを取材しました。

龍郷町長選挙に立候補したのは、
▼現職で3期目を目指す竹田泰典さん(73)と
▼新人で不動産業の樋脇昭和さん(67)の2人で、
いずれも無所属です。

前回の町長選は無投票で、8年ぶりの選挙戦となります。

(竹田泰典 候補の第一声)「子どもたちが健やかに育ち、未来に希望が持てる町。すべての町民が安全安心に暮らせる町。誠心誠意取り組んでいきたい」

現職の竹田さんは、出産祝い金の創設や奄美自然観察の森の再整備など2期8年の実績を強調し、今後も住み続けたいまちづくりを進めると訴えています。

(樋脇昭和 候補の第一声)「明るく楽しい龍郷町。やさしい話し合いのできる町政。みなさんのために私が一石を投じて、町民1人1人が声を出す龍郷町にしたい」

新人の樋脇さんは、今の町政は情報公開と説明責任が不十分だとして、透明性のある町政と、世代を超えて安心できる町をつくると訴えています。

奄美市のベッドタウンで、奄美空港からのアクセスも良い龍郷町。人口は5906人で、10年前に比べ100人増えています。

1人の女性が一生のうちに産む子どもの数を示す合計特殊出生率も1.82と、県の平均を上回っています。町民からは、子育てしやすい環境を求める声が多く聞かれました。

(パート20代)「子どもが遊べる施設とかをもっと広げてほしい」

(介護士40代)「子育てをしている世代なので、子どものことを第一に考えたまちづくりをお願いしたい。また、町民の声をよく聞いてくれる人が町長になってくれれば」

今回の龍郷町長選挙には2つの大きな争点があります。

1つが町が進める町内3つの中学校の統合で、竹田さんは推進で、樋脇さんは白紙撤回を訴えます。

(竹田泰典 候補)「中学校の多感な時代に、子どもたちがしっかり切磋琢磨できるような状況を作り上げることが大事だと思う」

(樋脇昭和 候補)「統廃合に賛成の地域と、反対の地域がある。反対の地域を無理やり統合する必要はないのではないか」

もう1つの争点が、町の保健福祉センター「どぅくさぁや館」をおよそ8億7000万円かけて改修し、2027年度内に温泉施設を備えた多世代交流センターにする計画です。竹田さんは推進、樋脇さんは白紙撤回の立場です。

(竹田泰典 候補)「2階部分については、子どもたちが雨の時にも一同に集い、親子いつでも交流できる場を提供している。子育てに傾注していける施設になるだろうと」

(樋脇昭和 候補)「何十年と続く経営。町単独で施設を運営するというのはかなり無理があると思う。客への対応にしろ、メンテナンスにしろ。温泉のメンテナンスはけっこうかかる」

龍郷町の今後を決める町長選。投票日は今月26日で、即日開票されます。