■ 祖父母ら3世代が暮らした築40年の家をリノベーション
『のんびり過ごしてほしい』そんな願いを込めたホテル ──


かつては松尾さんの曽祖父母と祖父母、それに父親の兄弟『3世代 6人』が住んだ “築40年の家” でした。

hotel&cafe ksnowki オーナー 松尾 綾さん:
「ここはもともと祖父母の家なんです。祖父母の家としての温もりのある場所」

福岡出身の松尾さんにとって、祖父母が住んでいた元の家は、盆や正月に家族と過ごす思い出の場所でした。

綾さんの祖母・茂子さん(82)は、今、ホテルの近くに一人で暮らしています。
ksnowkiが忙しい時などは皿洗いなどを手伝うこともあるといいます。
祖母の茂子さん:
「(綾さんは)きょうだいでも1番大人しくてですね…物静かな子どもだった」
■旅行者との出会い オーストラリアでのホテル修行で

松尾さんが宿泊業に興味を持ったのは大学1年のとき、ゲストハウスでのアルバイトがきっかけでした。

松尾 綾さん:
「いろんな旅行者と出会って。国内だとか海外からもたくさん。
そこに集まる人たちとの交流がすごく楽しくて、宿泊業に魅了されたんです」


その後2年間休学し、オーストラリアのホテルで語学と接客を勉強。

『いつか “自分の宿” を持ちたい』と思い始めていたところに転機が訪れます。

松尾 綾さん:
「オーストラリアから帰ってきたタイミングで祖父が亡くなって…。もう祖母は膝を悪くしていて、ここが階段だけの家なので、もう4階までも上りきれないし、もう1人ではこの家には住めない(解体するしかない)って。
“帰って来る場所” っていうような所だったので『それがなくなると寂しいな』って気持ちが一番大きかったですね」

“解体するくらいならホテルにしたい!”
──改装工事をして、今年3月に開業することを決めました。