宮城県知事選挙の期日前投票について、視覚に障害のある有権者は、「点字」を使って投票することが認められています。
こうした中、仙台市内で10月16日、視覚障害者の女性が係員から「点字投票の器具がどこにあるかわからない」と言われ、代理投票を勧められるなど配慮に欠ける言動を受けていたことがわかりました。女性は対応の改善を求めています。

視覚障害者の女性:
「点字器はないですと即答されまして」

こう話すのは、仙台市内に住む視覚に障害のある女性。
10月16日、仙台市内の期日前投票所を訪れ「点字器」と呼ばれる点字投票に必要な器具の貸し出しを申し出ました。

公職選挙法は、点字による投票を認めていて、仙台市でも、全ての投票所に点字器を備え付け、貸し出すようマニュアルで定めています。

ところが女性は、点字器の場所がわからないなどと言われ、次のように対応されたと話します。

視覚障害者の女性:
「名前を私が指を差して、職員が記入しますと言われたんです」

「でも見えない人に指さしできるわけないじゃないですか。それはどういう意味ですか、ハラスメントではないかと私も言ってしまった」

女性が何度も問い合わせたところ、別の職員がようやく点字器を探し出し、投票できたということです。

視覚障害者の女性:
「点字が書ける人だったら自分で(候補者の)名前くらい書きたい。『探してみますね』とか、一言何かあれば、こちらももうちょっと気が楽だった」

仙台市選挙管理委員会は、tbcの取材に対し「不慣れな係員による対応でご不便をおかけした」と話す一方、「点字器がないと話したわけではなく、点字器がどこにあるかわからず代理投票を提案したと聞いている」などと説明しています。

ただ、代理投票するかどうかは、有権者自身が判断することになっていて、一連の対応については疑問が残ります。

女性は「選挙事務がもっとスムーズになれば、投票率も上がるのではないか」と話していました。
仙台市では、2025年7月の参院選でも期日前投票所で点字投票を希望した有権者に一般の投票用紙を交付するミスが起きています。
その際、点字投票のルールについて周知徹底するなどと説明していましたが、果たして教訓は生かされていたのでしょうか。