「党本部同士もいい加減にしてもらいたい」自民県連幹部の怒り

自民党本部への憤りを隠さない人がいる。自民党広島県連で会長代理を務める中本隆志氏だ。

自民党広島県連 中本隆志 会長代理
「河井事件のときから、河井案里さんを擁立したときから、今現在に至るまで全て迷惑だった。党本部同士もいい加減にしてもらいたいなと」

「河井事件」とは、2019年の参院選で河井克行元法務大臣が、妻の案里氏を当選させる目的で、100人近い地元の議員らに現金を渡した前代未聞の選挙買収だ。

事件のあと、河井元法務大臣の地盤だった広島3区から立候補したのが…

公明党 斉藤鉄夫 副代表(2020年 当時)
「この政治不信に対して再び信頼を取り戻す。与党としての信頼を取り戻す」

自民党本部の主導で、当時公明党の副代表だった斉藤氏に泣く泣く選挙区を譲った。

自民党広島県連 中本隆志 会長代理
「『いや、それちょっと待ってよ』と。広島県はずっと広島3区の議席はもってきた。ここで譲ることはできない。党本部の方が、『いや、もう上で決めてしまったんで』『上手くそれでやれ』ということだった」

公明党 斉藤鉄夫 副代表(2024年10月 当時)
「広島3区、広島3区、勝たせてください!勝たせてください!」

2024年の衆院選では、立憲民主党の候補に約1万5000票差をつけ、当選した。

斉藤代表は、中本氏の県議会議長就任パーティーに出席した。当初は党本部の決定に不満を露わにしていた広島県連だったが、時間をかけて斉藤代表との信頼関係を築いてきたという。

そこに突きつけられた連立離脱だった。

自民党広島県連 中本隆志 会長代理
「我慢して我々も今まで公明党と一緒にやってきた。我々は仲間になった。その仲間を今度また解消しろと言われても、それはもう無理ですよ。地方の色々な結びつき、その集合体が自公連立政権の中で長年続いてきた。これは虫が良すぎる。もう振り回されるのは嫌ですよ」

連立離脱が決定した後、中本氏のもとへ斉藤代表から一本の電話が入ったという。中本氏がその内容を明かした。

自民党広島県連 中本隆志 会長代理
「(斉藤代表は)『党本部同士は今までの色々なしがらみの中、我々も一旦ここでお休みさせてくださいという決断をした』と。『ぜひとも地方同士は今まで通り仲良くしていただきたいという強い希望を持ってます』と」

ーー「お休み」という言い方をしたが、今後また連立に戻るという意味か?

自民党広島県連 中本隆志 会長代理
「そこは言葉の拾い方だから。ただ、『お休み』という言葉を使われた。まあ、わからないですね。ただ金輪際、今生の別れという言い方ではない。『お休み』という言葉を使われた」

「広島では公明党との選挙協力をこれからも続けていきたい」と話した。

自民党広島県連 中本隆志 会長代理
「広島バージョンを作り上げて、広島型の公明党との付き合いを我々も作っていきたい」

こうした選挙協力について、斉藤代表はどのように考えているのか。

公明党 斉藤鉄夫 代表
「党同士での、いわゆる推薦等または選挙協力というのは、これは行わない。国政レベルの話です。その上で、我が党の党員が地域、地域で築いていく信頼関係、これをベースにお互いを応援し合うということは当然あり得ること。その際、人物本位、政策本位と申し上げてきた」