経営再建中の日産自動車は、閉鎖が決まった神奈川県の追浜工場の従業員が、日産自動車九州の工場に転籍する際の補填策を労働組合側に提示しました。転籍先では月給が従来の9割に減りますが、会社側は差額の5年分を転籍加算金として一括で支払う方針であることがJNNの取材でわかりました。

経営不振に陥っている日産は経営再建の一環で、神奈川県・追浜工場の車両生産を2028年の3月末で終了します。

閉鎖に伴い、日産は追浜工場の従業員について、日産自動車九州の工場への転籍を提案しています。

関係者によりますと、九州での月給やボーナスは、追浜工場での待遇の90%の水準になるということです。この補填として、会社側は転籍者に月給の差額の5年分を「転籍加算金」として一括で支払う案を労働組合に提示したことが、JNNの取材で明らかになりました。

また、提案ではボーナスの減額分や退職金についても補填するとしています。

日産は、転籍に伴う単身赴任手当や引っ越しでの費用についても支給する予定で、生産技術を持つ従業員の離職を防ぎたい考えです。

会社側は先週、この案を労働組合側に提示していて、日産労組は従業員の意見をとりまとめているということです。