今年は記録的な猛暑となりましたが、熱中症の被害も深刻だったようです。広島市消防局の管内で今年、熱中症で救急搬送された人が過去10年間で最も多かったことが分かりました。

広島市消防局は広島市のほか、熊野・海田・坂・安芸太田の4町と、廿日市市吉和地区を管轄しています。

今年5月から9月にかけて、この管轄内の救急隊により熱中症または熱中症の疑いで救急搬送された人は去年よりも95人多い920人でした。過去10年間で最も多かった2018年の917人を上回り、最多となっています。

広島市消防局南消防署 窪川剛広さん
「我々が活動する上で『感染防止衣」を着用して出るんですけれども、やはりどうしてもこの時期とても暑いので、自身の熱中症のリスクを抱えながらの活動となりましたので、非常に緊張感のある現場となりました」

年齢層では70代以上の高齢者が多く、場所としては屋内が全体のおよそ6割を占めていたということです。

窪川さん
「屋内で動けなくなっている、中に入ってみるとエアコンがついていない。エアコンがついていても、もう設定温度が高くて、中が蒸し暑い状況で、結構多々出動しております」

10月に入ってからも熱中症で救急搬送される人がいるということで、広島市消防局は「高齢者は特に暑さを感じにくく、気づいたときには重症のケースが多い。『自分は大丈夫』という思い込みを捨て、熱中症を災害と捉え、行動してほしい」と話しています。

窪川さん
「喉が渇いたと感じた時には、もう水分が不足している状況なので、喉の渇きを感じる前に水分・塩分の摂取をしていただきたいと思います」