「病は夜につくられる」─気づかぬうちに進む異変

睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に何度も呼吸が止まる病気です。本人には自覚がないまま、体は酸素不足と戦い続けています。
広島市安佐南区にある広島ハートセンターの循環器内科医・中村真幸医師はこう解説します。
「睡眠中に呼吸が止まると、体の中では酸素が不足して”低酸素状態”になります。脳はそれを感知して呼吸を再開させようとし、体を一瞬だけ覚醒させます。そのとき、心臓や血圧にも負担がかかりますが、本人は眠っているつもりなので、自覚することができないんです」
つまり、「眠っているのに体は休まっていない」。この”隠れた戦い”が、長い年月をかけて血管や心臓、脳に負担を与えていきます。それが積み重なると、やがて深刻な合併症を引き起こすとにつながります。














