『じゃあね』って別れたのに

男性の死亡が妻に告げられたのは、成人式の2日後のことでした。

男性の妻「前の日に娘と写真を撮って『じゃあね』って別れたのに、なんでなんだろう?と」

夫の長時間労働の実態を知らされると、思わず「そんなに働いていたんですか」と声が出たといいます。

男性の妻「しかも、県はそれを知っていた。『どうして知っていたなら助けてくれなかったんですか?』と話しました。その後も何度か所長と会って話を聞きましたが、なぜ助けてくれなかったのか、いまいち私には分かりませんでした」

男性の娘(23)は「生前の父はすごく陽気で、精神的にもタフだった」と振り返り、父の死を信じられなかった当時を振り返りました。

公務災害の認定から1年7か月、県は責任を認めて謝罪することや、再発防止策を講じることに加え、約1億円の解決金を支払うことなどで「遺族との間で和解に向けて合意した」と発表しました。

ただ、遺族は「県教委の今後の再発防止に向けた取り組みを見守りたい」とし、「現時点で和解が成立したわけではない」「和解ではなく『合意』」と強調しました。