部署が変わると「違う国」――“異国”で見つける良いサプライズ
社内異動とひと言で言っても、同じ会社にいて部門が違うとなると、それはもう「違う国」なんです。価値観も、仕事の仕方も、何もかもが違います。
人は、新しい環境や状況に置かれたときに、理想と現実にギャップを感じて戸惑いを感じる、いわゆる“リアリティーショック”を受けるのですが、社内異動も同じです。
そもそも、「違う国」に入ることはやっぱり怖いので、ドキドキしますよね。結局、異動してから1年ぐらいして、そこの仕事が一回りして、「ここではこういうふうに仕事が動いているんだ」というのを把握できるまでは、怖いんです。未知のものは怖いので。
ただ、今回のドラマ(『スクープのたまご』)の話のように、実際に異動してみて、その中でやりがいを見つけたり、同僚に恵まれたりして、「違う国」に自分が定着していくこともあります。すごくリアルに描かれていると思いますね。
例えば、主人公の女性が異動前に週刊誌の仕事に対して抱いていたイメージは、もともと悪かったと思います。でも、中に入ると、自分の中で“意味づけ”の変化が起こるはずなんです。他のメディアが動けないときに「調査報道をできるのは私たちしかいない」「それが社会を変えることになるかもしれない」というふうに、良い方向に意味づけが変わるかもしれない。
だから、実際にやってみないと分からないですよね。そして、その体験は「自分で」作らなければいけない、意味を見いださなければいけないものなんです。それを「センスメイキング」とも言うのですが、最初はネガティブに捉えていたスクープを取ってくる仕事を、ポジティブなものに“上書き”するのは誰なのかと言われたら、自分しかいません。
ブラックな職場では「やりがい搾取」なども横行するので、一概には言えないのですが、大概の仕事には、やりがいや意味を見いだすことはできるんじゃないかなと思います。














