“ハイメンテナンス”が必要な人材とは? 社内異動の宿命と仕組み
ただし、経営を維持するためにも、会社都合の異動は今後もゼロにはならないと思います。
特に、“上澄み10%”と言われるような優秀な人材には、ハイメンテナンス(優秀な人材を引き留める維持のための投資)が必要なんです。大体入社3年目ぐらいで、ある程度の優秀な人材には目星が付けられて、将来の経営人材にもなるようなロードマップが作られているケースが多いです。
社内異動が1度に30個も40個も起きるのは、その優秀な人材1人を動かすために、“玉突き”のように発生している、ということでもあります。
僕がいつも言っているのは、20代の後半に「第1モヤモヤ期」が来て、30代の後半に「第2モヤモヤ期」が来る。「このままこの会社にいてもいいのかな」という不安が訪れるのが、第1モヤモヤ期で、第2モヤモヤ期は「この時期を逃したら、もうこの会社から出られないかもしれない」という不安から来るものです。
そして今の世代は、優秀であればあるほど、第1モヤモヤの時に辞めてしまうケースがかなり多いと思います。だから会社側も、居続けてもらえるような仕事をちゃんと渡して、フィードバックもする。手塩にかけて育てて、それに見合った人事異動もさせていくことになります。
「ジョブ型雇用」と言って、最初から社内異動がない雇用の仕方も、少しずつ広がってきてはいますが、IT企業・コンサルティングファームなど、領域は絞られていますね。