可能性は無限大!?『多孔性金属錯体』

そんな北川教授が開発した「多孔性金属錯体」という物質は、平たく言うと、穴がたくさんある金属、イオンや分子イオンが結合した化合物です。
「多孔性金属錯体」はジャングルジムのような構造になっていて、大きさでいうとナノメートルサイズ(10億分の1m)の物質です。ジャングルジム状になっている隙間に特定の分子を貯蔵・分離できるということです。
■多孔性金属錯体 スゴさのポイント
・簡単に作れる
・デザインできる→構成できる数は無限
・様々な分野で応用可能
正岡教授によると、簡単に合成できるほか、コストも安く作ることができます。
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続いて、実用例を見ていきます。
■2016年9月発表
世界発の実用化。「エチレン」の動きを抑え、果物の鮮度を保ったまま輸送(イギリス・MOFテクノロジーズ)
■2016年10月発表
有毒ガスの安全な運搬・保管が可能に
→ガスを低い圧力で貯められる(アメリカ・NuMatテクノロジーズ)
■2018年から開発中
タバコ臭や排泄臭を瞬時かつ完全に除去する研究が進行中(樋口特定助教と大原バラヂウム化学)
正岡教授は「10年後には『多孔性金属錯体』を用いた物質が、われわれ生活の場にあふれる可能性もある」と話します。
活性炭も似た性質があるといえるかもしれませんが、『多孔性金属錯体』は活性炭と違い、分子をとらえる穴のサイズを制御でき、さらに規則正しく作ることができます。また、その穴の中の性質や壁の性質も自由自在に制御できるという点が特徴だと言えます。














