元駐米大使「一番大事な問題は対中政策のすり合わせ」

トランプ氏と、新総理はどう向き合えばいいのか。

第1次トランプ政権時に駐米大使をつとめた杉山晋輔氏。トランプ氏が大統領に就任する前、安倍元総理の意向を受け、異例の会談を実現させた。

元駐米大使 杉山晋輔氏
「日本との関係で決定的に大事だったのは、東洋の大国の宰相が真っ先に来てくれて、『自分(トランプ氏)とちゃんと話ができる』と言ってくれたのが“シンゾー”だったんだと。『I love Japan』って結構しょっちゅう言いますからね。お世辞で言っているのではなく、大統領ご本人は本当に日本が好きだと思っているというのは間違いないと思います」

第2次トランプ政権を前回と比較し、こう表現した。

元駐米大使 杉山晋輔氏
「アメリカの憲法上、大統領は4年2期まで(が任期の上限)。(1次政権時は)『次の選挙勝たなきゃいかん』ということがあるので(政策などの)ブレーキになる。今は次の選挙を考えなくていい。中々ブレーキがかからない。自分のやりたいこと全部やる」

対米外交で、新総理に求められるものは何か。

元駐米大使 杉山晋輔氏
「(新総理が)自分の言ってることに対して『本当にやるか』っていう覚悟を持って、それだけの力があるか。逆に今度トランプさんに対しても『ちゃんとやってくれ』と、トランプさん的な言葉を使えば、『ディール(=取引)ができるか?」と。すべからくディールすればいいというものでもないのではと私は思いますが、でも、相手がそうだから。(トランプ大統領の)ベースに乗って、日本の国益を最大化し、国際社会の平和と安定に資するようなことをやった方がいい」

新総理は選出された直後から、トランプ大統領の訪日など重要な外交日程に臨む。

山本恵里伽キャスター
「トランプ政権との関係において、一番の課題は何だと思いますか?」

元駐米大使 杉山晋輔氏
「アメリカにとって本当に今の対外関係の1丁目1番地は対中関係だと。トランプさんだろうが、バイデンさんだろうが、民主(党)、共和(党)問わず、アメリカ全体は日本に対して非常に強い期待もしている。また興味も高いし、『日本は中国をどうするんですか?』と、対中政策をすり合わせるのは一番大事な問題」