イラク出身者「フセインが大統領になったときを思い出した」
ワシントンのターミナル駅の前には、市民団体のテントが張られていた。

村瀬キャスター
「星条旗が逆さまに掲げられています。これも抗議の意思を示すための一つのデモですね」
団体の創設者で元陸軍兵士のラッセル・ジョリーさんは、州兵の派遣について…

ラッセル・ジョリーさん
「一つめは、こんなことをする大統領に憤慨しています。二つめは、兵士たちが政治的な見せ物に利用されているのが恥ずかしいです。三つめは、この結果、独裁者が生み出されるのではと恐れています」
ワシントン・ポストなどの世論調査では、▼地元住民の79%が州兵の展開に反対。さらに、▼自分が住む地域について78%が「安全」と回答していて、トランプ氏の主張とは食い違っている。
州兵の派遣から約1か月後、トランプ氏は閣僚らとワシントンのレストランを訪れた。
トランプ大統領
「この街は安全を取り戻した。想像できたか?私たちのおかげで1か月で安全な街になった」
治安が改善したとアピールするためだったが…
抗議の声
「ワシントンを解放しろ。パレスチナも解放しろ。トランプは現代のヒトラーだ」
「彼はワシントンを恐怖に陥れている」

抗議の声を浴びせた市民団体のメンバーは、レストランを追い出された。
ワシントンにある別のレストラン。イラクから移住してきたオーナーのアンディ・シャラールさんは、ワシントンの変化に戸惑いを隠せない。

イラク出身 アンディ・シャラールさん
「この国に来て55年、ここが私にとっての故郷なんです。それなのに突然、不安を抱えることになるなんて、おかしな話です」
トランプ政権の強硬な不法移民対策により、合法的な移民にも疑いの目が向けられているという。
イラク出身 アンディ・シャラールさん
「ワシントンにはたくさんの移民が住んでいて、その多くは合法なのに。実際、私たちのスタッフも呼び止められて、書類の提示を求められたこともありました。最近は身の安全を守るために、出生証明書、グリーンカード(永住証明書)、パスポートなどを持ち歩く必要があるんです」
カメラの前で政権に批判的な話をするのは勇気がいるというが…
イラク出身 アンディ・シャラールさん
「もちろん報復は怖いですが、意見を言えなくなったり、身を隠さなきゃいけないことの方が恐ろしいです。私は自由を求めてイラクから来たんです。トランプとヘグセスが軍の幹部を前に演説するのを見て、サダム・フセインが大統領になったときを思い出しました」

ーーこの国で健全な民主主義を維持できると思いますか?
「民主主義は永遠に続くものではありません。日々の戦いで手に入れるものなのです」