観光税で対策?中室さん「京都の一番の問題はオーバーツーリズム」
井上貴博キャスター:
ホテルは高いですし、食べるものも高い。そして、ホテルが取れないとなると、外国人観光客が少なそうな場所を探していくのも分かります。

慶応義塾大学教授・教育経済学者 中室牧子さん:
時間の問題なのではないかなという気がしないでもないですけれども…。価格の面でも混雑の面でも、国内旅行のニーズに合うことはとても大事です。京都の一番の問題は、オーバーツーリズムだなと改めて感じます。
最近読んだ論文で面白いなと思ったのが、海外を中心に、観光客から一定の税や料金を取る観光地が増えてきているそうです。それを使ってインフラ整備や混雑の緩和、清掃、環境保全などのようなことをやっているとのこと。
実は京都市も、観光税を宿泊税という形で取っていますが、その導入後も観光客は減らなかったという論文があります。すなわち、価格が上がっても需要は減らないという「価格弾力性が小さい」ことを意味しています。
なので、観光税のようなものを使って、オーバーツーリズム対策をやっていくことは、意味があると感じました。

井上キャスター:
海外に比べたら、日本はまだ観光税も安いですからね。
出水麻衣キャスター:
海外の口コミで「京都は絶対に行きたい場所」にリストアップされているのだなと、少し誇らしくなりますけどね。
慶応義塾大学教授・教育経済学者 中室牧子さん:
国際的には「観光の持続可能性が大事」だと言われていて、そのためには、環境負荷や経済効果など、住民の幸福度も大切です。長く持続的に維持していくことが大事ではないかなと思います。

山形キャスター
他にも日本人観光客が増えているエリアがあります。
京都の北西にある「京都・高尾」エリアです。京都駅からJRバスで約50分、二条城駅からは約30分かかるそうです。
世界文化遺産の寺などがあり、知る人ぞ知る紅葉の名所ということです。こういった場所も、ぜひ訪れてみてください。
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〈プロフィール〉
中室牧子さん
慶応義塾大学教授 教育経済学者
教育をデータで分析
著書「科学的根拠で子育て」