「外で生きて良い理由の一つに」変わる受刑者と保護犬
初めての“泊まり訓練”から1か月が経った2025年6月。

パクスはこれまで、自分から外に出たことはありませんでした。しかし、“泊まり訓練”をともにした受刑者がリードを付けると、パクスが初めて自ら外に出てきたのです。
ピースワンコ・ジャパン 仁尾愛美 チーフトレーナー
「だいぶ心を許しているというか。ハーネスとかブラッシングしてもらってるときに、受刑者の皆さんの臭いを嗅いだりしていて、プログラムを1回ずつ受けるたびに、パクス自身も、この人知ってる人たちって分かってきているので。
まだ緊張はしてますけど、緊張の度合いが違うかなと見ていて思います」

前回はぎこちなく歩いていたパクスですが、今回はうまく受刑者と散歩ができました。
受刑者
「(Q.こんなに歩いていました?)全く。しかもパクスこっちって言って先導したら、ちゃんと動くようなってるんで、ちゃんとお散歩できるようになってる。びっくりしました」
パクスの成長に驚く受刑者。自らの変化も感じています。

受刑者
「犬と接して優しくしてると、人に優しくできるようになったというか。二度と入らないために努力しようと思ってます。(パクスの存在は)もう強い支えですね。今月も頑張ればパクス来る、来月も頑張ればパクス来る。本当に励みになってます。
外に出たらどんなかたちになるか分からないが、保護犬の活動には参加させてもらいたい。大げさな言い方になるんですけど、自分が外で生きていっていい理由の一つにしたい」
受刑者と保護犬を見守ってきた刑務官は…
津村刑務官
「普段の生活の場でも、辛いこととか苦しいことがあったときでも、いついつには保護犬の指導があるし、それに向けて頑張っていこうであったり、ちょっとした些細なことであっても、協調性や他者への気遣いとか、芽生えてきているんじゃないかなと実感しています」