SNS戦略を実践 狙いは議員票ではなく「党員票」
井上キャスター:
高市氏陣営からすると、議員票が難しいのであれば、党員票の獲得ということになりますか。

大室裕哉 記者:
国会議員票でなかなか広がりを見せていないので、高市氏陣営の戦略としては、“党員票で圧勝するしかありません”。
決選投票に進んでも、議員票で勝つことは難しい現状があるので、それならば党員票で、小泉氏の神奈川と林氏の山口以外では全て1位になるぐらいの勢いで圧勝する。
そうすることで、「高市氏に入れた党員の声を無視していいのか」という国会議員の議員心理を動かしていく戦略で、決選投票を勝ち抜いていく考えです。
井上キャスター:
高市氏の“鹿発言”は、その考えの中で党員票を取りに行ったという理解でいいのでしょうか。

大室裕哉 記者:
この“鹿発言”は外国人政策への入りとして発言しましたが、その真意は目の前の国会議員ではなく、全国でネットから視聴している党員に向けられたものでした。
実際、「5人の候補者のうち一番印象に残った」という声も数多く聞かれます。
ネット意識という部分では、SNSの総フォロワー数は高市氏がダントツで多いです。
【SNS総フォロワー数】
(10月2日時点 Nスタ調べ)
▼高市氏…160.1万人
▼小泉氏…52.0万人
▼茂木氏…12.1万人
衆議院・参議院の選挙では、国民民主党や参政党がSNS戦略を利用して、かなり支持を広げました。その戦略に倣って、高市氏もSNS戦略を実践しています。
井上キャスター:
高市氏は決選投票に残り、2位であっても党員票が集まれば、議員心理が自分に来るのではないかという考えですが、どのくらい党員票の差が開くと、議員心理が動くのでしょうか。

星浩さん:
圧勝すれば別ですが…。自民党の党員は、保守色の強い団体や業界、地域の名士などで構成されています。高市氏の場合、保守色の強い団体には浸透していますが、その他には浸透がまだ及んでいないのが現状だと思いますね。
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〈プロフィール〉
大室裕哉
TBS報道局政治部 自民党担当
高市早苗氏の番記者
趣味はMLB観戦
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年