「閲覧制限」申し立て なぜ音声は非公開?

原告側はそれらが記録された音声データを法廷で流すことを求めましたが、裁判所は「公開するには適切な内容ではない」と認めませんでした。

原告代理人 清水勉弁護士
「原告は110番通報の音声データを聞いて衝撃を受けました。交番の2人が命がけの抵抗をしているのに通信指令室員は通報者の命を守る、救う気が全くない」

出口かおり弁護士
「裁判公開の原則の趣旨に反している。憲法違反の感覚ですよ。裁判記録の閲覧を一般の人ができるようにするっていうのも裁判公開の趣旨からすると当然尊重されるべき」

どのような音声なのか、私たちチューリップテレビは、ことし6月、富山地裁に対し『事件直後の110番通報の音声データ』について証拠の閲覧申請しました。

梶谷昌吾記者
「証拠の閲覧申請をしてきたんですけども、今は見せられる状態ではないと言われました。被告の県側から閲覧制限がかかっているということです」

民事裁判の証拠は原則、閲覧可能ですが、県警が2024年7月、この音声データが「営業秘密」に該当するなどとして、第三者に閲覧させないよう裁判所に申し立てていました。

裁判所は、この申し立てについて、判決直前の9月19日に却下しました。

一方で、却下が確定していなかったため9月29日の判決まで第三者は聞くことができず、翌日の9月30日、ようやく裁判所で音声が公開されました。