「年齢で線引き」から「余裕のある人が負担」へ
どうすれば医療保険制度を持続させることができるのか?以下の点が、課題として挙げられます。
▼保険給付範囲の見直し⇒一部の薬・病気を保険適用外に(花粉症や風邪など)
▼予防⇒そもそも病気にならないようにする
▼賃上げ⇒負担能力を上げる
また、これからは、負担の公平性=「なにをもって公平と言えるのか」を見直す必要があるかもしれません。これまでは、「現役世代が稼いで負担」「引退した人は収入なし」というように、“年齢で線引き”した制度設計になっていましたが、働くシニアが増えている昨今、「余裕のある人が負担する」という考え方も出てきています。
この考え方をもとに医療保険制度を見直す場合、課題となるのが「資産の捕捉」。現段階では資産を捕捉できていないため、「収入は少ないが莫大な資産を持っている富裕な後期高齢者が1割負担で済んでいる」というケースも見られます。
これに対して、マイナンバーカードと貯金を紐づけるなどの対策も考えられますが、これには反対意見もあり、いかに公平性を守っていくかが問われています。