大須に舞い降りた日本初の“UFO型信号機”
こうして開発された「UFO型」信号機は、1975年に、CBCテレビ本社に近い名古屋市の新栄小学校前の交差点で、日本初の試験設置が行われます。そして同年9月には、大須の赤門通と裏門前町通の交差点に正式に設置されることになりました。
大須観音の門前町であるこの地域は、多くの参拝者や買い物客が訪れ、歩行者も多かったことから選ばれました。狭い道でも設置できる信号機として、「UFO型」信号機は大須の街で活躍し続けました。
この「UFO型」信号機は、宮城県や群馬県を中心に国内で十数基が設置されました。しかし、設置から約40年が経過し老朽化が進むと、その特殊な形状ゆえに更新時には通常の信号機に戻されることが多くなりました。
その大きな理由は、一般的な信号機に比べてメンテナンスや交換が難しいことにあります。ポールと信号機本体がシンプルな構造の一般的な信号機と異なり、「UFO型」信号機はその特殊な構造ゆえに部品の交換や修理が難しく、コストもかさみました。
こうした事情から、老朽化による更新時期を迎えた際、多くの自治体はコストやメンテナンスの面で有利な一般的な信号機に置き換える選択をしました。結果として、2024年までには、大須のUFO信号機以外の公道上にある全ての歩車一体型の「UFO型」信号機が撤去されたということです。















