“UFO”の灯を絶やさなかった大須の街
一方で、大須の「UFO型」信号機は違う対応がとられました。
2010年に、初代UFO型信号機のデザインを踏襲した、新しいLED式の信号機が設置されたのです。
この2代目の製造を担当した信号メーカー・信号電材によると、更新にあたっては「以前の一体型信号機が珍しく、地域の利用者にも親しまれていた」ため、なるべくその姿を変えずに更新したいという要望があったといいます。

しかし、大須にあった初代の信号機を開発した名古屋電機工業は、既に「UFO型」の製造を取りやめていました。そこで、このメーカーは「UFO型」を再現するため、8台の別のLED信号機を一つの個体に集約するという課題に取り組みます。
製造時には、8台のLED信号機を、従来の個体デザインに違和感なく収める構造づくりに苦労したそうです。
また、ポール1本で信号機を支えるため、強度を保つための工夫も凝らされました。このLED式信号機は、特殊なアルミ合金を使い耐久性が向上したほか、電気使用量が4分の1以下になるなど、多くのメリットがあります。

そうして、2代目「UFO型」信号機は、珍しい見た目と機能をそのままに、初代に限りなく近い形でLED化がなされ、今も大須の隠れた名物として存在しています。
車両用のみを一体化したタイプは日本各地でまだ見られるそうですが、歩行者用と車両用を一体化した信号機が公道上に置かれているのは、日本でここ大須のみ。日本唯一とされている“UFO”を見に、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
【CBCテレビ 報道部・前川智彦】















