韓国人ダイバーも加わり…「変えさせなければいけない」市民の願い

2025年1月、遺骨発見を目指して、水中探検家の伊左治さんによる潜水調査が始まった。ようやく開けた坑口から入ったが、180mほど先で、木材に阻まれた。

水中探検家 伊左治さん
「坑道の内部の構造物が崩れているエリアが多くて」

何度も潜るが、遺骨にたどり着けそうにない。

水中探検家 伊左治さん
「ここからは、難しいんじゃないかな。ピーヤから入ることになるのかなと思っています」

そのピーヤも、内部に積み重なった瓦礫が障害に。地元のダイバーや業者の力も借り、1つ1つ取り除いていった。調査が進む中、井上さんは何度も政府に協力を求めた。

井上 共同代表
「本当に素人の人力で頑張ってきているわけですが、今こそ政府の技術的支援、財政的支援が必要な時期が来ている」

だが、窓口である厚生労働省は、現地視察の求めにさえ応じなかった。

井上 共同代表
「この状況は、ご遺骨が出てくれば、また大きく変わっていくんではないか。変わらなければいけない、変えさせなければいけない」

潜水調査には新たに、伊左治さんの探検家仲間で、韓国人のキム・スウンさんとキム・ギョンスさんが加わった。

キム・ギョンスさん
「私たちはダイビングが好きで、本業にしている。この技術を、多くの人のために役立てたいと思った。日本のご遺族も同じように、遺骨が帰るのを待っていらっしゃる。なんとかして運び出し、少しでも助けになれば良いと思っている。政治的に考えたことは特にありません」

二人は、水中に気泡をほとんど出さない特殊な装備を用意し、事前に100時間以上のトレーニングも受けて、調査にのぞんでいる。

ギョンスさん
「少なくないお金がかかるので、迷ったのも事実。トレーニング費用を合わせると、1人2000万ウォン(約200万円)かかったと思う。日本の市民団体から、ある程度の費用は支援していただいているが、私たちにも本業があって時間も割いているので、いつまで続けられるか心配」