「いのち」と向き合う

黒田さんは今回の展覧会のために新たに描いた作品でも「いのち」を見つめています。

黒田征太郎さん
「僕が感じる今の人間をかいてごらんみたいなね。絵の具をこう塗っていったり、散らばしていったりしているうちに絵の具同士が離れたりくっついたりくっついたり離れたりずりおちたりしていく中に生きているものが僕なりに見えてくるんですね。そんなことの積み重ねで勝手に僕がこの中に人間あるいは生きているものたちの葛藤というのか、そういうのを描いているつもりになってしばらく離れてこうやって見ていると『わーたくさんのいのちのようなものがうごめいているなーおまえたち楽しい?苦しい?どっち?』心の中でそんなことを思いながら」

年齢や性別、国籍に関係なく「いのち」を感じ取ることができる「魂の絵」。

それを描き続けることは黒田さんにとっても自分自身の「いのち」と向き合うことにつながっているようです。

黒田征太郎さん
「僕にとって絵を描くというのは自分を分かりたいから。分からないからまだ描くと。これを見に来られた方が面白がってくれたら僕は嬉しい」

「黒田征太郎展 絵でできること」は
北九州市立美術館で11月9日(日)まで開かれています。