「前代未聞の犯人隠避事案」元院長に懲役1年6か月を求刑
最終陳述で被告は「謝っても、謝りきれない…」

みちのく記念病院の元院長・石山隆 被告(62)は2023年3月、入院中の男が同じ病室にいた患者を殺害した事件で、弟で医師の哲 被告(60)と共謀し、死因を「肺炎」とする虚偽の死亡診断書を作成し、事件を隠ぺいしようとした犯人隠避の罪に問われています。

石山被告は、前回の初公判で起訴内容を認めていて「病院を守りたい」という思いで、ほかの医師の名義での診断書の作成を指示したとされています。


29日の裁判では被告人質問が行われ、石山被告は診断書の作成について検察側から「自分の手を汚したくなかったのでは」と問われると、石山被告は「はい」とだけ答え、事件を隠そうとした動機については「病院を守りたかった」と繰り返しました。


この後、検察側は「医師に対する信頼をそこなう前代未聞の犯人隠避事案」と主張し、懲役1年6か月を求刑しました。一方、弁護側は、執行猶予付きの判決を求めました。

最終陳述で、石山被告は裁判官に一礼したあと、以下のように話しています。
「本来医療関係者としてあってはならない大前提のことを起こした。謝っても、謝りきれない。自分自身が心から反省し、真摯に逃げることなく向き合い、そして反省の日々を積み重ねていきたいと思っています。この度は本当に申し訳ありませんでした」
このあと、石山被告は裁判官に約5秒間、深々と頭を下げました。