本格派のハンター カワセミ

──カワセミはどんな特徴のある鳥ですか?

(東洋産業 大野竜徳さん)
「カワセミは小さな体で飛ぶ美しい鳥ですが、その生態は本格派のハンターです。スズメと同じくらいの大きさで、止まっているときはじっと水面を見つめてほとんど動きません」

「その目の先に獲物になる小魚やエビが映ったら、突如狙いを定めて急降下し、一瞬で獲物を仕留める、まさに水辺の狩人です。その一回のダイブで獲物を捕らえる狩りの成功率は高く、餌が減る冬でもわずかな獲物を狙って生き抜いています。

カワセミは縄張り意識が強く、一度気に入れば季節を通じて同じ水辺を利用することから、冬場でもそこで見かけたというポイントでは翌年も見られることが多いのも特徴です。

カワセミはいわゆる留鳥。渡りは行わず、同じ場所にとどまって一生を過ごす越冬するため、12月でも普通に観察できます。

むしろ、夏は生い茂っていた葉などがなくなり、空気が澄んで見通しもよくなることから、カワセミを発見しやすい時期かもしれません。ただし、冬は夏とでは行動に変化が見られます」