子孫を断ち切られた悲劇「子供を返してくれ」
――ハンセン病問題の中でも、特に深刻な人権侵害が断種・堕胎です。子孫を残すことを許されませんでした。
(屋会長)
「男と女がいれば子供ができるのは当然のことです。それを許さず、できた子を全部殺してしまう。これ自体が人権蹂躙そのものです。子孫を残すことは人間として一番大事なことなのに。裁判の時に『私の子どもを返してくれ』と訴えていた方も、この前亡くなりました」
――国の責任は非常に重いですね。
(屋会長)
「国の責任ですよ。国が誤った情報を流したせいで、ハンセン病と分かっただけで一家心中するという事件も起きました。昭和26年に9人が亡くなっています。時代で済まされる問題ではありません」