7月1日時点の土地の価格で土地取引の目安となる「基準地価」が、9月16日に発表されました。

 関西の商業地トップは6年連続、JR大阪駅北側のグランフロント大阪南館で、1平方メートルあたり2450万円でした。

 商業地の地価上昇は神戸市でもみられました。再開発が行われているJR三ノ宮駅前では9.3%上昇。4月から神戸空港で国際便が就航するなど、外国人観光客の増加も地価上昇を後押ししました。

 同じ兵庫県内で異変が起きていたのが、淡路島です。34年ぶりに島全体で住宅地と商業地の基準地価が上昇しました。

 淡路島の西海岸では、今年に入ってからホテルや飲食店など新たな施設が次々と誕生しています。島の北西にある淡路市野島蟇浦では人材派遣大手のパソナグループが観光施設や飲食店を続々と開業するなど土地の取引が活発となり、基準地価が12.9%上昇。県内商業地で2番目の伸び率です。いまでは大勢の観光客が訪れ、なかでもハローキティをテーマにした観光施設は午前11時のオープン直後から家族連れなどでにぎわっていました。

 (埼玉からの観光客)「地元の方から、ここは子どもが喜ぶから連れていったほうがいいですよと教えてもらった。(Q旅行先に淡路島を選ばれたのは?)来てみたかったので。景色もキレイですし。楽しかったです。意外と広いんだなと思いました」

 街がにぎわっていることに地元の人は…

 (地元住民)「にぎわってる人たちと地元の人たちの交流があまりない。まだ地元に溶け込んでいない」

 一方で、淡路島の中央に位置する洲本市では、県内の商業地で最も高い下落率となりました。

 洲本市の中心部にある商店街では、シャッターを閉じた店が多く見られます。高齢化が進み、事業承継がうまくいかないなどの理由で昔ながらの商店街が衰退しているといいます。

 (地元住民)「淡路島の北のほうは注目されて、パソナが来たり開発されているが、洲本はちょうど中間で、そういう機運がまだない。洲本もそのうち順番が回ってこないかなとは思っています」

 同じ淡路島のなかでも明暗が分かれる結果となりました。